
道路上で頻発する交通事故の中でも、特に発生件数が多く、後続車両から不意打ちの衝撃を受けるのが「後方からの衝突(追突事故)」です。
車体に目立った損傷がない低速トラブルであっても、車内にいる人間の身体、とりわけ首や腰の軟部組織には一瞬で相当な外力が加わります。
「追突された後、首や腰に違和感があるけれど人身事故として扱うべき?」
「自賠責保険から支払われる慰謝料や補償額の平均はどのくらい?」
「完治までに必要とされる通院期間の目安を知りたい」
このような疑問をお持ちの方に向けて、本記事では人身事故における自賠責保険の仕組み、補償や通院期間の平均的な目安、そして後遺症を残さないための正しい通院ステップについて詳細に解き明かしていきます。
01. 「物件事故(物損)」と「人身事故」の決定的な違い
交通事故が発生した際、警察への届出において「物件事故(物損事故)」として処理されるか、「人身事故」として受理されるかによって、その後の補償内容や受けられる手続きに天と地ほどの差が生じます。
物件事故(物損事故)の扱い
車両や所持品といった「物」の損害のみを補償対象とします。身体の不調に対する治療費、休業に伴う減収の補償、精神的苦痛に対する慰謝料などは一切支払われません。
人身事故の扱い
事故によって人間の身体に傷害(ケガ)が生じたことを公的に認める扱いのことです。これにより、相手方の「自賠責保険」や「任意保険」を活用して、窓口負担なしでの施術や各種補償を受け取る権利が確立されます。
なぜ追突トラブルで物損から人身への切り替えが必要なのか?
追突事故の直後は、事故のショックや興奮によって脳内から多量の麻酔様物質(アドレナリンやエンドルフィン)が分泌され、強い痛みを自覚しづらい特徴があります。
そのため、その場では「ケガはない」と警察に伝えて物損として処理してしまい、数日後に激しい首の痛みや頭痛に見舞われるケースが後を絶ちません。
少しでもお身体に異変を感じたら、速やかに医療機関で診察を受け、診断書を取得した上で警察署へ出向き、人身事故への切り替え手続き(切り替え届の提出)を行うことが、ご自身の健康と権利を守る絶対条件となります。
02. 自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の基礎構造と「120万円」の限度枠
人身事故の被害者を救済するための制度として、すべての自動車・バイクに加入が義務付けられているのが「自賠責保険」です。
自賠責保険は、被害者が最低限の補償を受けられるように制定された法的制度であり、事故の相手方(加害者側)の自賠責保険に対して各種費用を請求することができます。
傷害(ケガ)補償の「120万円の壁」
自賠責保険において、1人の被害者が受け取れる傷害補償の上限額は総額で120万円と定められています。
この120万円の限度枠の中には、以下の費用項目がすべて合算されて計算されます。
- ① 治療費・施術費医療機関や整骨院へ支払われる実費
- ② 通院交通費電車・バス代、自家用車のガソリン代・駐車場代など
- ③ 休業損害事故のケガで仕事を休んだことによる減収の補償
- ④ 傷害慰謝料事故による肉体的・精神的苦痛に対する補償
上記のように、治療にかかる実費だけでなく、休みに対する補償や慰謝料も同一の枠から算出されます。そのため、通院が長期化したり休業損害が高額になったりすると、120万円の枠を超過(枠あふれ)してしまうリスクが存在します。
03. 人身事故・追突トラブルにおける各種「平均」データの分析
追突事故に遭われた患者様から最も頻繁に寄せられるのが、「慰謝料や通院期間の平均はどれくらいか」というご質問です。自賠責保険の算定基準に基づき、具体的な平均値や計算の仕組みを紐解いていきましょう。
1. 傷害慰謝料の算出基準と「平均」支給額
自賠責保険における傷害慰謝料は、法令によって明確な計算式が設定されています。
- 自賠責保険の慰謝料基準1日あたり4,300円(※法改正前の旧基準では4,200円)
この金額を掛ける対象(対象日数)は、「総通院期間」と「実通院日数×2」を比較し、どちらか少ない方の数値が採用されるルールとなっています。
算出例】通院期間が3ヶ月(90日)、実際の通院日数が30日の場合
- パターンA(総期間)90日
- パターンB(実日数×2)30日 × 2 = 60日
- 採用数値小さい方の「60日」
- 慰謝料算出60日 × 4,300円 = 258,000円
追突事故による「むち打ち(頚椎捻挫)」で整骨院や病院へ3ヶ月〜4ヶ月程度通院した場合、支給される慰謝料の平均的な相場額はおよそ25万円〜40万円前後に収まるケースが多く見られます。
2. 追突事故における通院期間の「平均」目安
追突事故によって発症する「むち打ち症(頚椎捻挫・腰椎捻挫)」が完治または症状固定(これ以上通院しても大幅な改善が見込めない状態)に至るまでの平均通院期間は「およそ3ヶ月〜6ヶ月」です。
| 損傷の度合い | 主な症状 | 平均的な治療・通院期間 |
|---|---|---|
| 軽度 | 首筋の軽微な張り、違和感 | 約1ヶ月〜2ヶ月 |
| 中等度(一般的) | 首・肩の痛み、可動域制限、頭痛 | 約3ヶ月〜4ヶ月 |
| 重度 | 手足の痺れ、強いめまい、吐き気 | 約6ヶ月〜(必要に応じて後遺障害申請) |
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ここで極めて重要なのは、「平均が3ヶ月だから3ヶ月で通院をやめなければならない」ということではありません。お身体の回復スピードや損傷の深さには個人差があるため、ご自身のお身体の状態に合わせて必要な期間、適切な施術を継続することが重要です。
04. なぜ追突事故の衝撃は首や腰に重篤な不調をもたらすのか?
乗用車同士の衝突において、後方からの追突は他の事故タイプ(出合い頭や正面衝突)とは異なる特殊な物理エネルギーが人間に作用します。
「むち打ち症」が発生するメカニズム
停車中や低速走行中に後方から予期せぬ衝突を受けると、搭乗者の胴体はシートバックによって前方へ押し出されます。しかし、重い頭部(人間の頭部は体重の約10%、5〜6kgの重量があります)は慣性の法則によりその場にとどまろうとします。
この結果、首(頚椎)が一時的に過度な伸展(後ろに反る動作)を起こし、直後に前方へ屈曲(折れ曲がる動作)するという、ムチをシナらせたような急激なS字状の変形動作を強制されます。
この急激な揺さぶりによって、首を支えている以下の構造物が微細に損傷します。
- 頚部周りの深層筋肉(頭板状筋・斜角筋など)や筋膜の微小断裂
- 頚椎を繋ぎ止めている靭帯や関節包の引き伸ばし
- 脊髄から各部位へと伸びる神経根への過度な引っ張り刺激
画像診断(レントゲン・MRI)で「異常なし」と言われる理由
追突事故で重い不調を抱えているにもかかわらず、整形外科などの医療機関で画像を撮影すると「骨にはどこも異常がありません」と判定されることが多々あります。
レントゲン写真やCT検査は、主に「骨折や脱臼などのハード面の損傷」を確認するための画像技術です。むち打ち症の主因である筋肉の微細な傷、筋膜の引きつれ、微小な関節アライメント(骨の配列)の乱れは画像に映り込まないため、異常なしと診断されてしまうのです。
05. 追突事故後の人身被害で損をしないための「通院の原則」
人身事故の被害に遭われた際、適切な施術を受けてお身体を健康な状態へ戻し、かつ自賠責保険から適正な補償を受けるためには、押さえておくべき「通院の原則」が存在します。
原則①:事故発生から「14日以内」に通院を開始する
事故後、痛みを我慢して2週間以上放置してから初めて医療機関や整骨院を受診した場合、保険会社から「その痛みは事故との因果関係がない(事故とは別の原因で痛くなった)」と判断され、自賠責保険の適用を拒否される可能性が跳ね上がります。
不調の有無にかかわらず、事故に遭ったら直ちに(遅くとも数日以内に)専門家の診察を受けましょう。
原則②:定期的かつ計画的なペースで通院する
仕事や家事が忙しいからといって、月に1〜2回程度しか通院しない期間が続くと、自賠責保険側から「すでに不調は治癒している」とみなされ、治療費の支払いを打ち切られる要因となります。
急性期から慢性期にかけては、週に2回〜4回程度の計画的なペースで身体の手入れを行うことが、回復を早め、かつ客観的な治療の必要性を証明することに繋がります。
原則③:医療機関(整形外科)と整骨院を賢く「併院」する
「整骨院に通うなら病院には行かなくていい」あるいは「病院に行っているから整骨院には通えない」という考え方はどちらも不適切です。
- 整形外科の役割医師による定期的な経過観察、投薬指示、画像検査、法的証明(診断書発行)
- 整骨院の役割柔道整復師による毎回の丁寧な手技療法、深層筋肉へのアプローチ、骨格アライメントの調整、細やかなリハビリ
医療機関で定期的な診察(月に1〜2回程度)を受けつつ、日々の身体のケアや手技施術を整骨院で行う「並行通院(併院)」こそが、後遺症予防と補償獲得において最も推奨される通院スタイルです。
06. 自賠責保険を活用した整骨院での専門施術プロセス
当院では、追突事故による人身被害でお悩みの患者様に対し、自賠責保険を適用した窓口負担0円での専門施術をご提供しております。
お越しいただいてから完全回復に至るまでの具体的な施術手順は以下の通りです。
【Step 1】詳細なカウンセリングと徒手検査
事故が起きた際の衝突方向(真後ろからの追突、斜めからの衝撃など)、お車や車内の損傷具合、現在感じている不調の質(重痛い、ピリピリ痺れる、動かすと痛む等)を細かくヒアリングします。
その後、柔道整復師の国家資格を持つ施術者が、関節の動きや筋肉の緊迫度を直接触れて調べる「徒手検査」を実施し、不調の真の発生源を特定します。
【Step 2】急性期の消炎・保護アプローチ(受傷〜2週間程度)
炎症反応や熱感が強い初期段階では、強引なマッサージや過度なストレッチは禁物です。
患部の安静を保ちつつ、微弱電流治療器(ハイボルテージ療法等)を用いて内部の炎症と鋭い痛みを効率的に抑え込みます。
【Step 3】慢性期の手技療法・アライメント調整(2週間〜3ヶ月程度)
炎症が落ち着いた後は、筋肉が硬化して固まる(瘢痕化する)のを防ぐ施術へと移行します。
熟練した手技(マッサージ療法、筋膜リリース)によって深層のインナーマッスルをやさしく緩め、追突の衝撃でわずかにズレてしまった首や背骨、骨盤の関節アライメントをソフトな手技で調整していきます。
【Step 4】機能回復リハビリと再発予防(3ヶ月以降)
痛みが和らいできた段階で、事故前と同じ柔軟性と可動域を取り戻すためのストレッチや運動療法を導入します。
ご自宅で実践できるセルフケアや正しい姿勢保持のアドバイスを行い、天候の変化やデスクワークでも不調が再発しない強健なお身体へと仕上げていきます。
07. 保険会社とのやり取りや手続きに不安を感じた時の対処法
人身事故の被害に遭遇した際、お身体の痛みと同じくらい患者様の大きなストレスとなるのが「相手方の保険会社との電話交渉や書類手続き」です。
- 「まだ首に痛みが残っているのに、保険会社から治療費の打ち切りを告げられた」
- 「提出する書類の書き方が難しくて良く分からない」
- 「提示された慰謝料の金額が平均相場に対して妥当なのか判断できない」
当院では、単にお身体の施術を行うだけでなく、1,000件以上の交通事故患者様をサポートしてきた豊富な経験と知識に基づき、自賠責保険の手続きアドバイスや保険会社との連絡調整サポートを行っています。
また、複雑な過失割合のトラブルや過剰な打ち切り要求、後遺障害の等級認定が必要となる難度の高い事案においては、提携している交通事故専門の弁護士事務所とスムーズに連携し、患者様が一切の損をすることなく施術に専念できる環境をご用意いたします。
08. まとめ:追突事故によるお身体の不調は、北九州の当院へご相談を
追突事故によって受けてしまった身体のダメージは、時間が解決してくれるものではありません。
「たいしたケガではないから」
「自賠責保険の手続きが面倒だから」
と自己判断で放置してしまうと、数年後、数十年後に慢性的な首の痛み、頑固な頭痛、気圧の変化による全身の怠さとして重くのしかかってくる危険性があります。
人身事故の被害に遭われた場合、自賠責保険を正しく活用することで、患者様の窓口負担は0円(費用負担なし)で専門的な施術とリハビリを受け続けることが可能です。
当院は、北九州の地域の皆さまが一日も早く事故前の健やかで笑顔あふれる日常生活を取り戻せるよう、柔道整復師の国家資格保持者が一丸となって最後まで責任を持って伴走いたします。
追突事故による首・腰の不調、自賠責保険の手続き、通院期間や慰謝料の平均相場に関するご疑問など、どんな小さなことでも構いません。
お身体に違和感を覚えたら、どうぞお早めに当院の無料相談をご利用ください。
交通事故の施術について、お気軽にご相談ください
自賠責保険の適用で窓口負担は原則0円です。通院中の整形外科との併用、 転院のご相談も承っています。相談だけのご利用でも構いません。
実際の通院記録
当グループへ通院された方の記録です。事故の状況・初診時の所見・施術内容・ 通院回数まで記載しています。
- 追突事故

追突事故によるめまい
30代女性(事務職・デスクワーク従事)
赤信号で停車中に追突され、ふわふわとした浮動性めまいと頭重感が続いた30代女性の症例です。頭部CTや平衡機能検査では異常なしと判定されました。
- 施術期間
- 約120日間
- 通院回数
- 42回
- 追突事故

衝突事故による背部痛
30代男性(デスクワーク)
信号待ち中に追突され、肩甲骨の内側から背中中央にかけて強い痛みが出た30代男性の症例です。深呼吸時の胸背部の圧迫感も伴っていました。
- 施術期間
- 約3ヶ月
- 通院回数
- 35回
