
交通事故の被害に遭った際、加害者側の任意保険会社から提示される「示談金(損害賠償金)」。内容を詳しく確認せずに安易に合意してしまうと、本来受け取れるはずの適正な賠償額より大幅に低い金額で示談が成立してしまう大きなリスクがあります。
保険会社の最初の提示額で納得せず、損をせずに適切な補償を受け取るために押さえておくべき手順と対処法を分かりやすく解説します。
01. 示談交渉で損しないための基本手順
示談交渉を有利に進め、正当な賠償額を獲得するための基本的な流れは以下の通りです。
- 事故直後の適切な対応と通院事故に遭ったら必ず警察へ届出を行い、「人身事故」として処理して「事故証明書」を取得します。少しでも体にしびれや違和感がある場合は直ちに病院(整形外科)を受診し、治癒または症状固定と診断されるまで医師の指示に従って適切な頻度で通院を継続してください。通院期間や実通院日数は慰謝料の算定基準となります。
- 損害賠償項目と金額の内訳確認治療が完了(または症状固定)すると、相手方の保険会社から示談書(免責証書)と賠償額の提示が届きます。内訳(治療費・通院交通費・休業損害・通院慰謝料・後遺障害慰謝料など)に必要な項目が漏れなく計上されているか確認します。
- 算定基準のチェック(自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準):提示額がどの基準で計算されているかを確かめます。保険会社が提示する金額は自社内の「任意保険基準」であることが多く、裁判で認められる適正な「弁護士基準(裁判基準)」よりも大幅に低く設定されているケースがほとんどです。
- 金額の増額交渉と示談成立内容に不備や不満がある場合は、根拠を示して増額交渉を行います。すべての項目で納得がいけば示談書に署名・捺印し、指定口座に示談金が振り込まれます。
02. 算定基準による金額の違い
交通事故の慰謝料算定には3つの基準が存在し、どの基準を用いるかによって受け取れる金額に数倍単位の大きな差が生じます。
| 算定基準 | 特徴・目的 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 自動車損害賠償保障法に基づき、最低限の補償を行う国の基準 | 最も低い |
| 任意保険基準 | 各保険会社が独自に設けている社内基準(非公開) | 自賠責基準よりわずかに高い程度 |
| 弁護士基準(裁判基準) | 過去の裁判例に基づき、弁護士や裁判所が使用する適正な基準 | 最も高い(任意保険基準の1.5〜2倍以上になることも) |
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03. 提示額に納得がいかない時の対処法
保険会社から提示された金額に納得がいかない場合は、以下の手段を検討・実行してください。
- 弁護士基準での再計算・増額交渉を請求する保険会社の担当者に対して弁護士基準を引き合いに出し、再計算と増額を要求します。ただし、個人での交渉では「裁判を行わない限り弁護士基準には応じられない」と拒否されることも少なくありません。
- 後遺障害等級認定の申請(異議申立て)を行う後遺症が残ったにもかかわらず等級が認定されなかった場合や、認定された等級が低すぎると感じる場合は、追加の医証(診断書や検査画像)を揃えて「異議申立て」を行うことで、等級が変更され賠償額が大幅に増額する可能性があります。
- 交通事故の対応実績が豊富な弁護士へ相談・依頼する弁護士に交渉を依頼することで、保険会社は「弁護士基準」での交渉に応じやすくなります。煩わしい交渉ストレスから解放されるだけでなく、示談金が大きく増額するケースが多々あります。
- ADR(裁判外紛争解決手続き)機関を利用する「日弁連交通事故相談センター」などの紛争処理機関を利用し、中立な立場から和解案や評決を出してもらう方法もあります。
※超重要!示談書にサインする前の注意点
示談書に一度署名・捺印をして提出してしまうと、後から「納得がいかない」「金額が低すぎる」と不服を申し立てても、原則として示談を取り消すことはできません。弁護士に依頼しても示談成立後の金額変更は極めて困難ですので、必ずサインを押す前に提示内容の妥当性を確認・相談してください。
まとめ
保険会社から提示される示談金額は、必ずしも被害者にとって「適正な金額」とは限りません。提示された金額に少しでも疑問や不満を感じたら、そのまま判を突かず、まずは交通事故の対応実績が豊富な弁護士などの専門家へ相談することをおすすめします。
ご自身やご家族が加入している自動車保険に「弁護士費用特約」が付帯されていれば、最大300万円までの弁護士費用が保険でカバーされるため、実質自己負担0円で弁護士に依頼できる場合があります。まずはご自身の保険内容を確認してみましょう。
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自賠責保険の適用で窓口負担は原則0円です。通院中の整形外科との併用、 転院のご相談も承っています。相談だけのご利用でも構いません。
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