
執筆末金 孝太プロフィール
交通事故に遭った直後、現場の対応で多くの方が陥りやすいのが「物件事故(物損事故)」として処理してしまうトラブルです。
「事故直後は興奮していて身体に痛みがなかった」
「相手方に申し訳ないと思い、その場で物損処理にしてしまった」
「後から首や腰が痛くなってきたけれど、今から人身事故へ切り替えられるの?」
このように悩まれる被害者様は非常に多くいらっしゃいます。結論から申し上げますと、事故から時間が経過していても、医療機関の「診断書」を取得して警察へ届出を行うことで、人身事故への切り替えは可能です。
本コラムでは、柔道整復師として1,000件以上の事故患者様に向き合ってきた経験に基づき、人身事故へ切り替えるべき理由、警察・病院での具体的な手続き、そして整骨院を併用した手技ケアの手順を分かりやすく解説します。
01. なぜ「物損」から「人身事故」へ切り替える必要があるのか?
事故直後に怪我の自覚が乏しかったとしても、身体に違和感が出た時点で速やかに人身事故への切り替え手続きを行う必要があります。これには明確な理由が存在します。
1. 自賠責保険による各種補償を受け取るため
「物件事故」の扱いのままでは、警察上「負傷者は存在しない事故」として処理されてしまいます。これにより、相手方の自賠責保険から支払われる以下の補償を受ける権利が確立されます。
- 施術・治療費病院や整骨院へ支払われる実費
- 傷害慰謝料事故による肉体的・精神的苦痛に対する補償(日額4,300円基準)
- 休業損害ケガによって仕事を休んだことによる減収の補償
- 通院交通費電車代、ガソリン代、駐車場代などの実費
2. 正確な事故現場の記録(実況見分調書)を残すため
物件事故の場合、警察は簡易的な見分しか行いません。一方、人身事故として受理されると、警察によって詳細な過失割合や状況を証明する公的書類(実況見分調書)が作成されます。後々、事故の状況や過失割合を巡って争いが生じた際、ご自身の権利を守る強力な証拠となります。
02. 物損から人身事故へ切り替える「4つの具体的ステップ」
物損事故から人身事故へ切り替えるための標準的なロードマップは以下の通りです。
人身事故切り替えの標準フロー
- STEP1病院(整形外科)を受診事故から数日以内に医師の診察を受ける
- STEP2診断書の発行を依頼痛む部位をすべて伝えて診断書を作成してもらう
- STEP3警察署で切り替え手続き診断書と実車を持参し、管轄の警察署へ出向く
- STEP4保険会社へ切替完了を報告人身扱いに変更された旨を相手方担当者へ伝える
【Step 1】まずは速やかに「病院(整形外科)」を受診する
お身体に痛みや違和感(首のツッパリ、腰の重さ、頭痛など)が出たら、遅くとも事故発生から数日以内(必ず14日以内)に整形外科を受診してください。
【Step 2】医師に「診断書」の発行を依頼する
診察の際、医師にお身体の痛む部位(例:首、腰、背中、肩など)を漏れなく伝えます。「頚椎捻挫」「腰椎捻挫」などの病名が記載された警察提出用の診断書を発行してもらいます。
※ここで痛む部位を伝え忘れると、後からその部位の施術費用が認められなくなる場合があるため注意が必要です。
【Step 3】事故管轄の警察署へ出向き、届出を行う
事前に電話連絡を入れた上で、事故を処理した管轄の警察署(交通課)へ足を運びます。
- 警察署へ持参するもの:
- 医師が発行した「診断書」(原本)
- 免許証、印鑑、車検証
- 事故車両(※警察による現車確認が行われる場合があります)
警察官立ち会いのもと、現場の再確認や状況のヒアリング(実況見分)が行われ、人身事故として正式に受理されます。
【Step 4】相手方の保険会社へ報告する
警察での切り替え手続きが完了したら、相手方の保険会社へ人身事故へ切り替えた旨を連絡します。これにより、相手方保険会社からの「一括対応(医療機関・整骨院への直接支払い保証)」がスムーズに行われるようになります。
03. 人身切り替えの期限は?事故から「14日(2週間)」の壁
人身事故への切り替えにおいて、最も注意しなければならないのが「事故からの経過日数」です。
法律上、人身事故への切り替え期限が厳密に数字で指定されているわけではありません。しかし、実務上「事故から2週間(14日)以上」が経過してしまうと、警察が切り替えの届出を受理してくれなくなるリスクが飛躍的に高まります。
なぜ14日を超えると厳しくなるのか?
事故から時間が空きすぎると、警察や保険会社から「その痛みは交通事故の衝撃によるものなのか、それとも日常の仕事や加齢、別の原因で痛くなったものなのか」という因果関係の証明が困難になるためです。
事故直後に「痛みない」と感じていても、体内では微小な炎症が静かに進行しています。「少し様子を見よう」と放置せず、違和感を覚えた時点で直ちに整形外科を受診することが絶対条件です。
04. なぜ「病院(整形外科)」と「整骨院」の併用が必要なのか?
人身事故への切り替え手続きが完了した後は、お身体の全快に向けて本格的な通院を開始します。
ここで多くの方が疑問に思われるのが、「病院に通っていれば整骨院には行かなくていいのでは?」という点です。しかし、むちうち症や腰部捻挫を後遺不調なく回復させるためには、病院と整骨院の「併院(並行通院)」が最も推奨されるスタイルです。
病院と整骨院の役割分担一覧
| 比較項目 | 病院(整形外科) | 整骨院(柔道整復師) |
|---|---|---|
| 主な役割 | 医師による医学的診断・法的証明 | 国家資格者による手技療法・リハビリ |
| 主な施術内容 | 画像検査(レントゲン・MRI)、投薬(湿布・鎮痛薬)、診断書の発行 | 深層筋肉への手技アプローチ、筋膜リリース、骨格アライメント調整 |
| 通院の目的 | 定期的な経過観察(月1〜2回程度) | 日々の丁寧な手当・施術(週2〜4回程度) |
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05. 画像検査(レントゲン)に映らない筋肉・筋膜の「ミクロな損傷」
病院で「骨に異常はありません」と言われたにもかかわらず、首や腰に重い不調が残るのには理由があります。
レントゲン写真の特性
レントゲン検査は主に「骨格の破綻(骨折や脱臼)」を確認するための放射線検査です。むちうち症の根本原因である筋肉の微細な断裂、筋膜の引きつれ、微小な関節アライメントのズレといった軟部組織の変調は画像に映り込まない特性を持っています。
整骨院における手技療法の強み
柔道整復師の資格を持つ施術者は、直接患者様のお身体に触れる「徒手検査」を通じて、画像には見えない深層筋肉(インナーマッスル)の異常な強張りや熱感を感知します。
手技によって硬化した筋肉や筋膜をやさしく解放(筋膜リリース)し、局所の血流と神経伝達を正常化させることで、人間が本来持っている自然修復力を高めていきます。
06. 保険手続きや併院に関する当院のサポート体制
「病院の医師に整骨院へ通いたいと相談しづらい」
「保険会社からの連絡や手続きに不安がある」
当院では、北九州の地域で交通事故被害に遭遇された患者様が、ストレスなく施術に専念できるよう万全のサポート体制をご用意しております。
1. スムーズな併院・通院アドバイス
整形外科での定期診察を受けながら、当院で日々の手技施術を受けるための正しい通院手順や、医師・保険会社へのスムーズな伝え方をご案内いたします。
2. 客観的な施術経過の管理・共有
患者様の身体の改善経過や可動域の変化を正確に記録・管理しております。客観的な事実に基づいた経過報告を行い、トラブルを防止します。
3. 交通事故専門弁護士との提携窓口
過失割合のトラブルや人身切り替えを拒否されたケースなど、法律上の判断を要する問題が生じた場合には、当院が提携している交通事故専門の弁護士事務所をご紹介いたします。
ご自身の弁護士費用特約(弁護士特約)をご活用いただくことで、自己負担なしで専門家に直接ご相談いただける環境をご用意しております。
07. まとめ:人身切り替えやお身体の不調は北九州の当院へ
交通事故の直後は誰しも動転しており、その場で「物損事故」として処理してしまうことは決して珍しくありません。
しかし、お身体に痛みや不調が出た場合は、諦めずに「①病院での受診と診断書取得 ➔ ②警察への届出(人身切り替え) ➔ ③保険会社への報告 ➔ ④整骨院での手技施術スタート」という正しい順序を踏むことが、ご自身の健康と権利を守る唯一の道です。
「時間が経ってしまったから無理かも」
「手続きが面倒くさそう」
そうやって自己判断で放置してしまうと、将来的に慢性的な首の痛みや頭痛、手足のしびれといった後遺症が残ってしまう恐れがあります。
当院は、北九州にお住まいの皆さまが事故前の健やかで笑顔あふれる日常生活を取り戻せるよう、柔道整復師の国家資格保持者が親身になって最後まで寄り添い続けます。
人身事故への切り替え方法、病院との併院のご相談、身体の些細な違和感など、どんな小さなお悩みでも構いません。どうぞお気軽に当院の無料相談をご利用ください。お電話または公式LINEより、心よりお問い合わせをお待ちしております。
交通事故の施術について、お気軽にご相談ください
自賠責保険の適用で窓口負担は原則0円です。通院中の整形外科との併用、 転院のご相談も承っています。相談だけのご利用でも構いません。
このページの執筆・監修

執筆
末金 孝太
MNS株式会社 エリアリーダー
柔道整復師
業界歴11年。九州医療スポーツ専門学校卒。医療オリンピック 矯正王部門2022 九州3位。2022年からMNS株式会社の交通事故部門責任者を務めています。
プロフィールを見る実際の通院記録
当グループへ通院された方の記録です。事故の状況・初診時の所見・施術内容・ 通院回数まで記載しています。
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