
執筆末金 孝太プロフィール
自動車の衝突事故や追突トラブルに遭ってしまった際、首や腰のケガに対する不安と同時に、多くの方が切実に抱えるのが「お金(通院費用)」に関する悩みです。
「交通事故の施術を受けるには、窓口で毎回いくら支払う必要があるのだろう?」
「自賠責保険を適用すれば整骨院でも費用負担なしで通えるって本当?」
「本当に自分の窓口負担0円で済むのか、後から請求されたりしないか心配……」
ケガのショックや身体の不調を抱えながら医療機関や施術院へ通う中で、お金の不安まで重なってしまうと、安心して回復に専念することが難しくなってしまいます。
本コラムでは、柔道整復師として1,000件以上の交通事故被害に対応してきた経験に基づき、自賠責保険の補償の仕組み、整骨院で窓口負担0円になる条件、そして自己負担なしでスムーズに通うための正しい通院手順を徹底的に解説します。
01. なぜ交通事故のケガで「自賠責保険」を使うと窓口負担0円になるのか?
結論から申し上げますと、交通事故の被害に遭遇した場合、一定の条件を満たせば整骨院での施術にかかる窓口費用は「原則0円(患者様の自己負担なし)」となります。
これには、被害者を救済するために国が定めた公的保険(自賠責保険)の仕組みが関係しています。
自賠責保険による支払い対応の仕組み
- 患者様(被害者) → 整骨院・病院専門施術を受ける
- 患者様(被害者) → 相手方の保険会社事故の届出
- 相手方の保険会社 → 整骨院・病院一括対応で費用を負担(直接支払い)
1. 被害者保護のための公的保険制度
「自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)」は、公道を走るすべての自動車やバイクに加入が義務付けられている強制保険です。
交通事故によってケガを負った被害者が、経済的な理由で治療を諦めることがないよう、治療費や施術費、通院交通費、休業損害などの補償金(傷害枠:上限120万円)が支払われます。
2. 保険会社の「一括対応(いっかつたいおう)」の仕組み
通常、ケガで医療機関を受診した際は窓口で3割などの自己負担額を支払いますが、交通事故の場合は相手方の任意保険会社が窓口となり、自賠責保険の枠組みから直接医療機関や整骨院へ費用を支払う手続き(一括対応)を行います。
この一括対応の手続きが整うことで、患者様は毎回の通院時に窓口で現金を支払う必要がなくなり、実質「窓口負担0円」で施術を受けることができるのです。
02. 自賠責保険で補償される「費用項目」の全貌
相手方の自賠責保険が適用された場合、免除されるのは整骨院での施術費だけではありません。事故によって生じたさまざまな費用や損害が補償対象となります。
| 補償項目名 | 補償の内容・範囲 |
|---|---|
| 施術費・治療費 | 整骨院での手技施術代、物理療法代、リハビリ指導料、病院での診察代や処方薬代 |
| 通院交通費 | 通院にかかった電車代、バス代、自家用車のガソリン代・駐車場代、タクシー代(※必要な場合) |
| 休業損害 | ケガによって仕事を休んだことによる収入減の補償(会社員・パート・個人事業主・主婦も対象) |
| 傷害慰謝料 | 肉体的・精神的苦痛に対する補償(法令基準:通院1日あたり4,300円計算) |
このように、窓口でお金を支払わずに済むだけでなく、通院に必要な交通費や、仕事を休まざるを得なかった期間の収入補償、精神的苦痛への慰謝料も受け取ることができます。
03. 整骨院で「窓口負担0円」にするための3つの必須条件
「整骨院に行けば、誰でも無条件で窓口負担0円になるのか」というと、そうではありません。手続き上のトラブルを防ぎ、確実に窓口負担0円で通うための3つの条件を押さえておきましょう。
条件①:警察へ事故の届出を行い「人身事故扱い」になっていること
現場で当事者同士の口約束で示談にしたり、警察へ届け出ずに済ませたりしてしまうと、「交通事故証明書」が発行されません。
証明書がないと自賠責保険を適用できなくなり、全額自己負担になってしまう恐れがあります。必ず警察を呼び、「人身事故」として届け出を行ってください。
条件②:病院(整形外科)を受診し、医師の診察・診断書を取得していること
事故後、遅くとも数日以内(必ず14日以内)に病院(整形外科)を受診し、医師に痛む部位(首、腰、肩など)をすべて伝えて診断書を発行してもらうことが絶対条件です。
医師の客観的な「診断書」があることで、初めて事故と身体のケガとの因果関係が公的に認められます。
条件③:相手方の保険会社へ「整骨院への通院」を連絡していること
あらかじめ相手方の保険会社へ「〇〇整形外科に通院しながら、手技療法やリハビリのために〇〇整骨院へも通います」と連絡を入れる必要があります。
事前にお知らせいただくことで、保険会社から整骨院へ支払い保証の連絡が届き、窓口での支払いが不要となります。
04. なぜ「病院」だけでなく「整骨院」での手技ケアが必要なのか?
「病院に通っていれば、整骨院に行く必要はないのでは?」と思われる方もいらっしゃいます。
しかし、むちうち症(頚椎捻挫)や腰部捻挫といった交通事故特有の不調を後遺症なく全快させるためには、病院での経過観察と整骨院での手技施術を並行して行う「併院(並行通院)」が最も効果的です。
病院と整骨院の役割分担
- 病院(整形外科)医師による客観的診断、画像検査(レントゲン・MRI)、投薬処方、診断書発行
- 整骨院(柔道整復師)触診による神経・筋強張り特定、深層筋リリース、骨格アライメント調整
- 相乗効果法的・医学的な根拠を得ながら、人の手で根本的な機能改善を目指す
レントゲン写真には写らない「軟部組織の損傷」
病院のレントゲン検査は、主に「骨折や脱臼といった骨格の破壊」を確認するための検査です。
むちうち症の主因である筋肉の微細な断裂、筋膜の引きつれ、微小な関節アライメントのズレといった軟部組織の変調は、画像に鮮明に写り込みません。そのため、「骨に異常なし」と言われても首や腰に重い痛みが残ってしまうのです。
柔道整復師という国家資格を持つ専門家が、直接お身体に手を触れる「触診(手当て)」を通じて深層筋肉(インナーマッスル)の異常な強張りを捉え、熟練した手技で解きほぐすことで、血流を改善し根本的な回復へ導きます。
05. 事故発生から「窓口負担0円」で施術を受けるまでの5ステップ
トラブルなく円滑に窓口0円での施術をスタートするための正しい手順は以下の通りです。
手続きの正解ロードマップ
- STEP1事故現場で警察へ届出必ず警察を呼び事故証明書の対象にする
- STEP2整形外科を初診・診断事故から数日以内に受診し医師の診断書を取得する
- STEP3警察へ診断書を提出人身事故扱いへの切り替え手続きを行う
- STEP4保険会社へ通院連絡整骨院でも施術を受けたい旨を電話で伝える
- STEP5整骨院で施術スタート窓口負担0円で専門手技とリハビリを開始する
【Step 1】必ず現場で警察を呼ぶ
どんなに軽微な接触事故であっても、その場で警察を呼び「交通事故証明書」の発行対象にしてもらいます。
【Step 2】病院(整形外科)を受診し診断書をもらう
事故発生から遅くとも3〜4日以内に整形外科を受診します。痛む部分をすべて医師に伝え、「頚椎捻挫」などの病名が書かれた診断書を取得します。
【Step 3】警察署へ診断書を出して人身事故へ切り替える
取得した診断書を管轄の警察署へ持参し、物件事故から人身事故への切り替え手続きを行います。
【Step 4】相手方保険会社へ整骨院通院を通知する
担当者へ「〇〇整形外科に通いながら、日々の手入れやリハビリのために〇〇整骨院にも通いたい」と伝えます。
【Step 5】整骨院で手技施術を開始する
保険会社からの支払い保証連絡が整骨院に届き次第、患者様ご自身の窓口負担は0円で専門的な手技施術を開始できます。
06. 当院(北九州市)における自賠責保険活用と安心のサポート体制
当院では、北九州の地域で交通事故トラブルに直面された被害者様が、費用の心配や手続きのストレスを感じることなくお身体の回復に専念できるよう、万全の伴走体制をご用意しております。
窓口費用負担ゼロで受けられる専門ケア
自賠責保険が適用される場合、当院での手技施術費、物理療法代、リハビリ指導料などの患者様ご自身の窓口負担は原則0円です。お仕事帰りでも通いやすい受付時間の設定や予約優先制の導入で、通院の負担を軽減します。
専門家(弁護士等)とのスムーズな連携窓口
当院では、柔道整復師としてお身体のケアを行うとともに、自賠責保険の一般的な仕組みや通院手順に関する基礎的な情報をご案内しております。
なお、相手方保険会社との具体的な示談交渉や金額の交渉につきましては、整骨院が代理・受任を行うことはできません(弁護士法第72条遵守)。
過失割合が複雑なトラブルや、治療の中断打診などでお困りの場合には、当院が提携している交通事故専門の弁護士事務所をご紹介し、専門家に直接ご相談いただける環境をご用意しております。
07. まとめ:費用を気にせず、お身体の全快に専念してください
交通事故によって発生した身体の傷病は、放置しておくと数ヶ月〜数年後に治りにくい慢性的な首の痛みや頭痛、手足の違和感となって残ってしまう恐れがあります。
「治療費がいくらかかるのか心配で受診をためらっていた」
「整骨院へ通いたいけれど手続きが難しそう」
そのように一人で悩みや疑問を抱え込み、必要な施術を諦めてしまう必要は一切ありません。
正しい知識と手順を踏んで自賠責保険を活用すれば、窓口負担0円で専門的な手技施術を受け、お身体を元の健康な状態へ戻すことが可能です。
当院は、北九州にお住まいの皆さまが事故前の健やかで笑顔あふれる日常を取り戻せるよう、柔道整復師の国家資格保持者が親身になって最後まで寄り添い続けます。
お身体の不調、病院との併院のご相談、通院手続きのご質問など、どのような小さなお悩みでも構いません。どうぞお気軽に当院の無料相談をご利用ください。お電話または公式LINEより、心よりお問い合わせをお待ちしております。
交通事故の施術について、お気軽にご相談ください
自賠責保険の適用で窓口負担は原則0円です。通院中の整形外科との併用、 転院のご相談も承っています。相談だけのご利用でも構いません。
このページの執筆・監修

執筆
末金 孝太
MNS株式会社 エリアリーダー
柔道整復師
業界歴11年。九州医療スポーツ専門学校卒。医療オリンピック 矯正王部門2022 九州3位。2022年からMNS株式会社の交通事故部門責任者を務めています。
プロフィールを見る実際の通院記録
当グループへ通院された方の記録です。事故の状況・初診時の所見・施術内容・ 通院回数まで記載しています。
- 追突事故

追突事故によるめまい
30代女性(事務職・デスクワーク従事)
赤信号で停車中に追突され、ふわふわとした浮動性めまいと頭重感が続いた30代女性の症例です。頭部CTや平衡機能検査では異常なしと判定されました。
- 施術期間
- 約120日間
- 通院回数
- 42回
- 追突事故

衝突事故による背部痛
30代男性(デスクワーク)
信号待ち中に追突され、肩甲骨の内側から背中中央にかけて強い痛みが出た30代男性の症例です。深呼吸時の胸背部の圧迫感も伴っていました。
- 施術期間
- 約3ヶ月
- 通院回数
- 35回
